萩乃露のお酒は以前から何度か仕入れているのですが、それぞれ味わいや方向性は違ってもどれも評判がよく、「変幻自在の酒造り」という印象がありました。その本質を探るべく一度詳しくお話を聞きたいと思い、大阪で集まりのあった翌日にあたる1月18日に滋賀の萩乃露(正式には福井弥平商店)までいってまいりました。
最寄りの近江高島駅まで京都から湖西線で約40分。琵琶湖の北西に位置する高島市で260年以上の歴史を持つ由緒正しい酒蔵。萩乃露という名前も創業当時から続いており、このあたりに広がる萩にちなんで藩主から命名を賜ったそうです。
10年以上前はほとんど地元で消費されるお酒だったそうですが、だいぶ県外への出荷も増えてきているようです。もともと京都まで比較的近い位置にあるので食とのあわせ方にしても京料理にはよく合うのではないでしょうか。
蔵を見せてもらい福井毅社長から直々にあれやこれや説明をしていただきましたが、非常に緻密でしっかりと計画を立てて真面目な酒造りをしています。蔵を一通り見学した後でお酒も利き酒させていただきましたが、全体的には味があって柔らかいという言葉はまさにピッタリ。
でも、全てのお酒がそういうわけではなく、結構変化球のあるものも出しているのが面白いんですよ。
萩乃露では山廃仕込に加えて近年、生もと造りのお酒も始めています。生もとを始めたキッカケというのもいくつかあった中で、チラッと大七の名前が出たときに凄い共感しました。私自身が大七のお酒も大好きなので。
この生もと造りのお酒などは萩乃露のライナップの中ではかなりイロモノの方だと思いますがお燗酒にもオススメしやすいですし美味しいんですよ。数年後にはより洗練された造りになりそうですが今度仕入れます。
お土産として当店には入っていない、この地域の棚田で栽培したコシヒカリのお酒「里山」を買って帰りましたが柔らかい滑らかな甘みのあるメチャクチャ美味しいお酒でした(もっと硬いお酒かなと思ったら違いました)。値段もそれほど高くないので見かけたら買いですね。
当店にある中では純米吟醸のしぼりたて。お燗にするなら山廃の純米原酒をオススメします。
p.s.滋賀県に寄ったのも琵琶湖を見たのも初めてだったので琵琶湖のほとりまで行きたかったのですが、大雪で断念しました。残念!