宮城県の大御所、一ノ蔵の造る季節の日本酒「特別純米 ふゆみずたんぼ生酒」が入荷しました。
使用しているお米はササニシキ!
宮城県のお米ササニシキ。
もちろん、これは酒米ではないのですが私からするとれっきとした酒米。(だってここ最近は一ノ蔵と浦霞のお酒でしか見たことないもん、ササニシキ。)
一時期は東の横綱といわれコシヒカリに継ぐ作付面積を誇ったササニシキですが、冷害を機に他の品種へと転換し今では全国で1%にも満たない量しか栽培されていないそうです。
こだわりの強いお寿司屋さんはお寿司に向いているといわれるこのササニシキを使用していることも多いそうですが、実際に扱えているのは極わずか。
だから、私の中でササニシキというと宮城の蔵がお酒造りにつかっているのを見るぐらいなんです。
冬にも水を張る「ふゆみずたんぼ」のお米です。
この「ふゆみずたんぼ」とは。簡単にいうと「冬でも水を張っている田んぼ」のことで、そこで栽培されたお米になります。
雪が深すぎたり土ごと凍ってしまうほど寒いところなどは向かないようですし、生物と共存していく農法なので夏場でも農薬も控えなくてはならないなどの制約もあるようですが、冬でも水を張ることで多くの生き物が住み着き、渡り鳥なども飛来するようになり天然の堆肥が出来上がる自然と共存した農法。
そんな「ふゆみずたんぼ」、私がまだお酒のことを右も左も分からなかったお店を手伝い始めた頃に一ノ蔵さんを見学した事があるのですが、その時に田んぼまで連れて行っていただきました。
真冬の寒い中、蔵へ寄るよりも前に。
田んぼの前に「ふゆみずたんぼ」のことを説明していただいたのですが、風の音で何を言っているかほとんど聞こえず、覚えているのは非常に寒かったことと「あそこに見える山は岩手県」という言葉。それだけだだっ広く見晴らしのよく風の強い場所でした。
後々になって、蔵よりも先に田んぼに連れて行かれるなんてまるでフランスのワイナリーのようだと、一ノ蔵の米作りの凄さを改めて感じてみたりします。
そして実際にこのふゆみずたんぼのお酒が非常に美味しくて。実際に先日行われた夏の生酒試飲会ではアンケートで3位の評価。
200種類近いお酒が並ぶ中でその順位。香り、ふくらみ、キレとバランスの良さが光っていました。

余談になりますが、今年1月に訪れた滋賀県の萩乃露で、同じく滋賀県の棚田で栽培されたコシヒカリの日本酒を飲んだのですが、これがまた香りもあってふくよかでとても美味しかった。
飯米はお酒造りには向かないとはよく言われますが、飯米のお酒はまずいとかそういうことではありません。
究極のお酒には届かないかもしれないけれど、丁寧に育てられたお米と蔵人の技術があれば、晩酌の際に「うめぇ」って唸るぐらいのお酒は十分なりえます。
スペック
造り | 特別純米酒 生酒 |
---|---|
原料米 | ササニシキ(宮城県産) |
精米歩合 | 55% |
酵母 | 宮城酵母 |
アルコール度数 | 16度 |
保管 | 要冷蔵 |
価格(8%税込) | 720ml 1,580円 |
本数はあまり多くありません。是非お早めにお買い求めください。