※はじめに、トップの画像は榮万寿の造り手であり営業や企画等もこなすスーパーイケメン渋谷さんです。社長ではないので一応説明いたします。
今年からくわな屋で取り扱いの始まった群馬の館林にて「榮万寿」を醸す清水屋酒造店へ行ってまいりました。
創業は1873(明治6)年ですが1985年に1度酒造りを休止しており再開したのが2010年からということと、全国でも本当に最小規模の量しか製造していない蔵元なので、ご存知ないという方も多いと思います。

造っているお酒を簡単に説明すると、基本は五百万石を使用した純米酒か純米吟醸酒かの2種類。それをワインボトルに詰め、ヴィンテージをしっかり刻印し、冷蔵庫での数年単位による長期熟成させて販売。生酒ではないけれど保管は要冷蔵。
榮万寿の具体的な酒造りに関してはこの後説明いたしますが、造っているものは間違いなく「日本酒らしい日本酒」です。しいていうなら濃厚辛口タイプで実際評判もいいです。
しかし、コンテスト等にはまず出てこないお酒だと思いますし、榮万寿のいいところを探すほどに他の日本酒と比べることが馬鹿らしいと思えてしまうような不思議な日本酒です。日本酒らしい日本酒なのに。
今回酒蔵を訪問し、よかったのは普段は滅多にお目にかかれないであろう渡邉社長と直にお話が出来たことです。非常に明朗で話も面白いのでバンバンメディアに露出したほうがよいのでは? なんて考えてしまいましたが実際に酒造りを行っている蔵人をもっとフォーカスして欲しいということなので、トップの写真は社長ではなく渋谷さん。
そんな渡邉社長ですが考え方はいたってシンプルでとことん誠実。復活するときから小規模ということはわかっていても、流行りの酒米、酵母、製法などなど、色々と試してみたくなるでしょうけれどよくこれほど割り切った酒造りができるなと感心します。
ヴィンテージごとに違う特徴をもつお酒が、更に熟成によって変化してく様子を飲み比べて欲しいということ。
結構高価な日本酒ですのでなかなか飲み比べるのは難しいと思いますが、是非くわな屋にお越しください。もちろん徒歩で。有料ですがヴィンテージの違いを飲み比べいただけます。
清水屋酒造店とはどんな酒蔵か
元々は新潟にゆかりのある家柄で、酒造りに適した良い水を探して全国を旅してたどり着いたのが館林だったそうです。
館林というと「暑い」というイメージばかりで新潟から移るほど水が良いとは初耳ではありましたが、聞くところによると尾瀬の方の水が地下を通って館林に湧き出るそうで酒蔵も密集していますし、周囲にある飲料関係の工場などをみても確かに納得です。
酒造りを復活させた1番の理由は、社長自身が日本酒の美味しさに目覚めたから。
しかしその時、既に以前あった本蔵は老朽化で取り壊した後(現在はセブンイレブン?)。隣りにあった70坪ばかりの倉庫になっていた蔵をリノベーションし酒造りができるように改装したそうです。
現在の蔵の横にあるセブンイレブンにはヴィンテージ違いでずらりと並んだ榮万寿。全国でもまさにここだけ。なかなかコンビニでは見れない光景でしょう。

長くなりそうなので分けます。
次回は実際にどんなお酒を造っているのかを紹介します。