
日本酒の香り、一般に吟醸香と呼ばれるものはリンゴ系とバナナ系に例えられます。
リンゴ系の香りの成分はカプロン酸エチル、バナナ系の香りは酢酸イソアミル、その混合によるメロンやパイナップルなど。
(最近更に別の成分も発見されていますが今回は割愛)
そして今回の日本酒はそのバナナ系の香りにこだわって造ったという日本酒。
蔵元は千葉県酒々井町の甲子、名称は「KINOENE LODESTAR」きのえねろーどすたー
LODESTARとは古来より旅人の道標ともなってきた北極星のこと。
甲子の川口杜氏が目指す道しるべとなる北極星のような日本酒、ということですので人気の高い甲子を追っていく上でも目が離せない1本かなと思います。
お米は五百万石と山田錦、精米歩合は58%。
きょうかい1001酵母(10号の泡なし版)を使用した原酒の純米吟醸酒。
そして確かにバナナ系の吟醸香がキレイに香ります。
生酒ではありませんが、極々僅かにガス感が残っています。開けてから数日間はピリッとした舌触りを感じられるでしょう。
味わいはジューシーで少し甘め。
甘めなんだけれど、僅かなガスのお陰で意外と爽やかに飲んでいただけるのではないでしょうか。
で、また再びバナナの香りの話に戻りますが、バナナ系の香りって吟醸香として日本酒では結構昔からある香りなのですがかなり意識していないと感じないものであることも間違いありません。
店長もバナナとかリンゴとか、そういう香りがあるよって店頭のPOPに書くことが多いのですが、それを見たお客様が「バナナの香りだってー、面白いねー」なんて会話をしているのを耳にしたり。
ちゃんと聞こえたときには説明もしていますが、バナナの香り等を意識しすぎると「思っていたのとちがーう」ってなりかねないので、「言われてみればバナナっぽいかもー」というくらいのバナナ(やリンゴや白桃の)香りを探ってみていただきたいなと思います。
ちなみに、出来の良いボージョレ・ヌーヴォーもバナナの香りがしますよ。
くわな屋ではおなじみのラフォレさんちのヌーヴォーでもバナナの香りが感じられたことは何度もあります。
流石に日本酒とワインで香りを間違えるほどではありませんが、確かにどっちもバナナに例えられる香りを感じるんですよ。
面白いですよね。
最後に容量と価格ですが、720mlのみで1,815円となっております。
要冷蔵ではないのでお気軽に手にとってみてください。
とはいえ、飲み方としては冷えている方が美味しいんですけれどね。