久保田と言えば、日本酒の代名詞にもなることがあるほど有名かつ人気もあり、実際に美味しい日本酒。
ですのでお酒を飲まなくとも名前だけは知っているというという方は多く見受けられるのですが、久保田シリーズはゆずリキュールまで含めると2025年3月時点でなんと17種類以上もあり、味わいも初期から比べると多種多様。
まだまだ飲んだことのない久保田もあるのではないでしょうか。
特に今回紹介する「萬寿 自社酵母仕込」はその筆頭。最初の発売は2020年とまだまだかなり新しく、そして720mlで税込み12,705円と非常に高価なこともありなかなか手は出しづらいお酒ではありますが、店長からみて価格に見合う造りをしていると思える1度は飲んでいただきたい1本。
五百万石という酒米を使用したお酒の中で日本一の日本酒だと思っています。

通常の萬寿とは全くの別物
名前からすると通常の萬寿と何かしら共通点のあるお酒をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
しかし、実は通常の萬寿とは共通点を見出すことの方が難しいくらい別物の日本酒となっています。
お米も違うし、酵母も違うし、味わいの方向性もだいぶ違うし、価格も違います。
店長は朝日酒造の方へ「萬寿以外の名前を付ける案はなかったの?」と聞きましたが「高級日本酒として萬寿の名前が定着しているので」とのことでした。
お店によっては「億寿」と称しているところもあるようなので、記事のタイトルはそこから真似をさせていただきました。
以前に1度、久保田シリーズの萬寿の上が造られようとした際に黒を表す「玄寿」という案があったそうなので、それもいいかもしれません。
先にまず価格を紹介しますが、720mlで税込み12,705円。通常の萬寿が税込み4,477円ですのでなんと2.5倍以上。
やはり別格、全く違うお酒と思っていただいて問題ありません。
萬寿 自社酵母仕込の造り
久保田は五百万石の日本酒
そもそも店長は、久保田は「五百万石」の日本酒だと思っています。(公式が言っているわけではないですが)
五百万石は酒米で西の横綱として有名な「山田錦」に対して東の横綱と称されるほど量も沢山作られている有名な酒米です。
久保田はその殆どが五百万石から造られていて、公式のホームページでも確認ができます。
ただし、この五百万石という酒米は大吟醸を造るにあたっては向いていない点があり、50%より多くお米を磨こうとすると非常に割れやすく、割れてしまえば高級酒の原料にはなりえません。
ですので通常の萬寿も五百万石を使用していますが麹米のみに使用し、その精米歩合は50%。
掛米の方に精米35%のお米を使用する珍しいスタイルで造られています。
対して萬寿 自社酵母仕込は五百万石を40%まで原形精米で磨いています。
これは粒ぞろいのよい最高級の五百万石を使用し、丁寧に時間をかけなければなし得ないと思いますが、一般的な精米と比べると30%以下のものと同等になるのではないでしょうか?
(精米についてはここでは詳しくは話しませんが、原形精米とよく似た扁平精米で60%まで磨いたものは通常精米の40%に匹敵すると言われております)
ということで世の中のどの五百万石のお酒よりも効率よく磨かれた素晴らしい五百万石で造られたお酒と言って間違いないでしょう。
店長もお正月の時にこのお酒をいただきましたが本当に素晴らしい造りでした。
香りと味わい
味わいは、朝日酒造が公式で出している表でいうと久保田シリーズでもトップクラスの香りの華やかさと味の深さがあります。
とはいえ香りも味も上品でくどいといった感じは全く無く、スッと入って口の中はストンとキレる。
甘口・辛口ではちょっと表現できませんが、少なくとも甘口のお酒ではないです。
ただし驚くほど飲みやすい点は怖くもあります。
価格やスペックなど
造り | 純米大吟醸 |
---|---|
原料米 | 五百万石 |
精米歩合 | 40% (原形精米) |
アルコール度数 | 15度 |
保管 | (要冷蔵ではありませんが) 冷暗所以下の温度で |
価格 720ml | 12,705円 |

価格は非常に高価ですが、ただ高いだけでなくしっかりとその価値を感じられるまさに究極の久保田と呼べる日本酒ですのでギフトも含め特別な時にふさわしい1本であると言えます。
在庫の確認は取扱中の日本酒ページの限定酒・季節限定酒の表に載せてありますが、複数本必要だったり確実に抑えておきたい場合はまずご連絡いただけると幸いです。
